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2006年06月27日

絡みにくい! その2

前回、掛け合いについて書いたあと、続編の作業効率のことを考えて、自分用にすべての掛け合いをリストアップして数えてみた。もともと自分で考えたものをあらためてリストアップするというのも妙なものだが、提出はしても採用されなかった掛け合いがいくつかあるので、ぼくも正確な総数はきちんと把握していなかったのである。

ひとつのもれもなく数えられているかどうか、正直いって自信はないのだが、一応の結果として、もっとも掛け合いが多く発生するキャラはナガセであった。総数23。これはやはり、ほとんどの男性キャラとの間で掛け合いが成立するというのが大きいのだろう。
第2位はリアン。ナガセ同様に男性キャラとの絡みが多く、22キャラに対して掛け合いが発生する。
のべ21人のキャラとの掛け合いパターンを持つデューク氏は、ナガセやリアンとは反対に女性キャラとの接点が多く、第3位につけた。
ちなみに、節操なく「オレってラッキー!」と連呼していたソワレは18キャラとの掛け合いがあり、第4位。その後ろにはアルバとギースさまが17パターンで同着5位となった。

とまあ、このへんはまあいい。単純に考えて、これらのキャラは2回に1回は掛け合いで対戦が始まるし、ナガセなどは「さぁ、盛り上がってまいりました!」という通常のスタートボイスを聞く機会のほうが少ないほどだろう。
だが、問題は掛け合いの少ない人たちである。

前回、クラークやK’の掛け合いを考えるのに苦労した覚えがある、というようなことを書いたが、実際のところ、このふたりは決してパターンが少ないわけではない。クラークが8つ、K’が9つで、これは確かに先に挙げた上位陣とくらべると半分以下だが、それでも最低ラインというわけではないのだ。

もっとも掛け合いが発生しにくいのは、ある意味では下馬評通りかもしれないが、セスである。
リアン、クラーク、ナガセ、ルイーゼの4キャラとの間でしか掛け合いが発生しない上に、対クラーク以外の3パターンは、別にセスが相手でなくても見られる流用の多いパターンときている。今回、もっともこの分野で切ない思いをしているキャラといえよう。
そんなセスおじさまと同じく4つしかパターンがないのが、イレギュラー参戦の服部半蔵。
そして、この両者に次いで掛け合いが少なかったのが、意外にもアテナの全5パターンである。ミニョンにライバル視される掛け合いを除けば、女性キャラには見境のないソワレやデュークとのパターンがひとつずつと、プロモムービーで好評を博した京とのパターン、そしてそれと同じものが京クラシック相手でも発生するので、計5つとなる。

SNKを代表するアイドルなのに、なぜアテナはこんなに掛け合いが少なくなってしまったのか?

2006年06月21日

絡みにくい!

これまでの『KOF』と『MI』シリーズの一番の違いといえば、もちろん2Dと3Dという表現方法の差だと思うが、とりあえずぼくの請け負った仕事を中心にいわせてもらうなら、『MI』はよくしゃべるということだ。
ことに気を遣うのは、2D版からの伝統を引き継いでいるともいえる、対戦前のキャラ同士の掛け合いである。

この掛け合いを考えるに当たってぼくが最優先したのは、どのキャラにも同じくらいの量の掛け合いを、ということだった。
もちろん、全キャラを完全に均等にすることはできない。どうやっても差は出てきてしまうだろう。
ただ、それでも、極端に掛け合いの少ないキャラができてしまうようなことのないように、本来ならつながりなどないはずの組み合わせにも、どうにかこうにか掛け合いを持たせたりした。

ところが――。
40人近いキャラたちの中には、他人との掛け合いが非常に苦手な連中が何人かいる。
実際に掛け合いが多いか少ないかはともかくとして、個人的にはクラークとK’がきつかった。
クラークはもともと無口なキャラで、その上、設定的に掛け合いが発生しそうな相手が怒チームの面々+フィオやセスくらいしか思い浮かばなかったのである。
同じ無口でも、庵やリアン、あるいはソワレやデュークとも掛け合いが発生するぶん、レオナはかなり得をしていると思う。

また、クラークほど無口ではないが、愛想がなくていろいろ困ったのがK’だ。彼もマキシマやクーラ、あるいは京ぐらいとしか設定上の接点がない上に、口を開けば「うざってえ」だの「めんどくせえ」だの、そんな悪態ばかりが飛び出してくる。
ある意味、誰と会話をしてもたいていは毒づいて終わり、となってしまうので、掛け合いが少ないというより、どれも似たようなパターンになりがちなのだ。

続編では、『MI2』に搭載した掛け合いをベースに、さらにバリエーションを増やしていきたいところである。

2006年06月17日

巻島博士

ぼくはほとんど読んだことがないのだが、香港あたりで出ている『KOF』系のコミックでは、巻島博士が女性だというハナシをどこかで聞いたことがある。
だから今回、K’たちのストーリーに巻島博士を絡ませるに当たって、巻島博士を男にするか女にするかで少し悩んだ。

結果的に、「アレはいっさい気にしないでいいです、アレはあっちでやりたい放題やってるもんなんで」というF氏のお言葉にしたがい、女性科学者案は採用しなかった。
そういえば、『XI』のサイコチームエンディングで思わせぶりに顔見せしている龍〔ロン〕は、香港コミック版だとすでに死んでいるのではなかったか。
確かにやりたい放題である。

今回、マキシマやK’が巻島博士を追いかけているのは、マキシマの心臓ともいうべきマキシマリアクターが想定外のトラブルをかかえてしまったからだ。リアクターを完璧に修理できるのは、やはりリアクターを設計した博士本人しかいない、というわけである。

『MI2』では間に合わなかったが、次回のマキシマには、そういうストーリー面から来る変更点など加えてもらえると嬉しいと思う。
たとえば、リアクターがいよいよ本格的に暴走を始めたということを表現するために、全方位にマキシマビームを乱射する超必がつくとか、マキシマリベンジャーのフィニッシュ部分で相手をかかえたまま自爆するとか、つねに全身から熱い蒸気を噴出しているとか。

……そこまでやるのは冗談だとしても、ストーリー的な要求によってキャラの性能が変更されるケースも、たまにはあっていいと思う。

2006年06月14日

テリーもついてけばよかったのに

性能がどうのという部分を離れて、純粋にストーリー面、設定面でいうなら、ロック・ハワードというキャラは、実はまだ完成していないのではないかと思う。少なくとも、この先もしかしたら大きく変わっていくかもしれない可能性を秘めている。

ロックの本来の舞台である『餓狼MOW』は、途中まで製作されていながら、ついに続編が登場することはなかった。
10年もの間いっしょに暮らしてきたテリーと袂を分かち、母の弟カインと行動をともにする――という『MOW』のエンディングからすると、その続編では当然、ギースの遺産や母の生死についての謎が明らかにされる予定だったのだろう。
ロックが「この先大きく変わっていくかもしれない可能性を秘めている」というのは、それまで自分が知らなかった真実を突きつけられた時に、ロックがテリーとの暮らしの中でつちかってきた価値観のようなものが、根本からひっくり返される可能性があるのではないか、という意味だ。

キャラクターだけはほぼ完成していたらしい『MOW2』で、ギースの遺産や死んだはずの母メアリーの生死についてなど、ロックに関係してくる謎がどこまで解明される予定だったのか、それはぼくにも判らない。
ただ、もし『2』が世に送り出されていたら、もしかしたらロックは、テリーと対立するようなキャラに変貌していたかもしれないのだ。

――とはいうものの、『MOW2』が出ない以上は単なる妄想にすぎない。

個人的には、ロックと、それにビリーには、ギースの呪縛から解放されてほしいと思っている。
ただ、『MI』の中でそれをやってはマズいだろうとも思っている。それをやっていいのは、あくまで『餓狼』の名を冠した作品だけなのではないか、と。
だが、肝心の『餓狼』シリーズの新作が出てくれないところにジレンマがある
本当はもっと、ロックとビリーを積極的にぶつけてみたいところなのだが――。

2006年06月06日

レテノールかメネラウス

6月6日のお誕生日記念というわけではないが、今回はルイーゼのお話。

当初、ルイーゼ・マイリンクはルー・メーリンクという名前だった。
ルーというのはルイーゼの愛称だから、ルーとルイーゼのどちらを使っても大差ない。フィオがフィオ・ジェルミと表記されるかフィオリーナ・ジェルミと表記されるか、つまりはそのくらいの差でしかない。

ただ、ルーは今回が初登場の新キャラで、しかもドイツの旧家の出身、つまりお嬢さまという設定だ。
そんな彼女がデモシーンのたびに、ほかのキャラから馴れ馴れしく「ルー」という愛称で呼ばれるのは少し不自然だと思ったので、ゲーム中での呼称はルイーゼにし、そしてそれに合わせて正式な設定上の名前もルイーゼ・メーリンクとあらためた。

一方、名字のほうの変更は、SNKの海外部(?)からの指摘による。
ぼく自身はメーリンクという響きが気に入っていたのだが、実はこの名前をアルファベットでつづろうとすると、ドイツ語特有のウムラウトという記号が必要になってしまう。そして、そのウムラウト記号があると、ウェブ媒体での表記がいろいろ面倒になるのだ。
「オロチチームの必殺技をキリル文字で正しく表記しようとすると面倒になるよね」といえば、多少はお判りいただけるだろうか。
要するに、あの手の面倒さがついて回るということである。
そこで、ウムラウトを使わずにつづれる名前に変更してほしいといわれて、結果として、メーリンクに響きの似たマイリンクという名字を選んだ。
もっとも、今となってはこちらの響きのほうが耳に馴染んでしまっているが。

キャラクターデザインに際し、ルイーゼのイメージをF氏に伝える時にぼくがメールに記したのが、

蝶、ひらひら、はかなげ、何だかよく判らないが綺麗できらきらしている。

という一文だった(本当にこう書いた)。

たったこれだけの文章からあのキャラが完成したのだから、F氏とモデリングスタッフの努力には頭が下がる。

2006年06月02日

ガチンコ!

アーマーラルフ。
ラルフに裏キャラ(=コンパチキャラ)を用意することは、開発の初期段階から決定していたらしいが、少なくともぼくが知るかぎり、当初それはアーマーラルフなるキャラではなかった。
当初はラルフだけでなくクラークにもコンパチが用意される予定で、仮の名前として、それぞれがノエルとリアムという名前で呼ばれていたのである。

ノエルと聞いてぴんと来るかたもおられるだろうが、このコンパチキャラたちは、設定上、「アルバたちのグループにいるギャング仲間」になる予定だった。
一時期、「アルバの仲間をラルクラのコンパチとして登場させたいので、名前を考えてください」みたいな流れがあって、それでぼくのほうからノエルとリアムというネーミングを提案した。ノエルは、アルバのオープニングストーリーや先日公開されたサイドストーリーにも登場しているが、実はゲーム中にも登場する予定があったのだ。

もっとも、このふたりのうちリアムのほうは、名前の響きがリアンとかぶりそうだという指摘を受けてギャラガーに変更され、そののち、クラークのコンパチキャラはカット、ラルフのコンパチキャラもノエルではなくアーマーラルフになった。
結果的には、これでよかったのだと思う。

ちなみに、ノエルだのリアムだのギャラガーだのというネーミングは、イギリスの某バンドからいただいてきている。『KOF』にかぎらず、SNKの対戦格闘ゲームにはその手の名づけ方が多いのでやってみた。
要するに、Mr.BIGやヘビィ・D!と同じような名前のつけ方である。